【雑記】ダイスロールゲームの持つ魅力とは
どうも、こすとっくです。
今回は、ボードゲームのメカニクスの1つ「ダイスロール」について、個人的な考えを書いていきたいと思います。
読んでくれた方に少しでも楽しんでもらえれば幸いです。
目次
1. ここでのダイスロールゲームの定義
2. 完全ランダムということの魅力
3. 究極のダイスゲーム:チンチロについて
4. まとめ:ダイスというコンポーネントの魅力
1. ここでのダイスロールゲームの定義
はじめにダイスロールゲームとは何かという話です。
一般にはその目的によらず「サイコロを振る」ことがあれば「ダイスロール」というメカニクスを有すると言えるのではないでしょうか。
しかしここでは、ダイスロールがゲームの根幹としてアクションの入出力を担うもの、特に自身の手でダイスを振る(共通の場において、親プレイヤーが振るものではない)ものをダイスロールゲームとして考えています。例えば、麻雀におけるダイスロールは親決めや山の開始位置を決めるものであり、ゲームの根幹にはありません。しかし、双六におけるダイスロールは各プレイヤーが毎ターンのアクションとして行い、その値がアクションの出力として結果に直結します。後者のようなゲームをここではダイスロールゲームとして考えていきます。有名なボードゲーム名を挙げるなら、「モノポリー」、「カタン」などのゲームはいずれもダイスロールによる完全ランダムなアクション結果の後に、交渉というプレイヤー感の強いインタラクションが設けられています。先日記事化した「街コロ通」では各ターンのダイスロールがアクションとして根幹にあり、その後のオープンドラフトがプレイヤーごとの選択要素となります。(街コロ通記事:【ボドゲレビュー】「街コロ通」を遊んで - ボードゲームの日々 (hatenablog.com))
なお、「ブルゴーニュ」、「グランドオーストリアホテル」などの共通の場においてダイスロールがなされ、その目によりアクション制限などが発生するゲームは、ここでのダイスロールゲームの定義からは少し外れるものとなります。
2. 完全ランダムということの魅力
ゲームにおけるダイスというコンポーネントは基本的にランダマイザーとしての役割を担うものであると考えます。
「完全ランダム」というものはなんと言うか、自分ではコントロールできない、どうしようもないもので、それゆえに公平であり、理不尽であり、魅力的なものだと思うのです(ちょっと自分でも何言ってるかわかりませんが、ニュアンスが伝われば)。この「完全なランダム性」というものとどれだけ向き合うのか、身を任せるのか、抗うのか、乗りこなすのかといったところにダイスロールゲームのおもしろさがあると思います。単純にダイスを振るという行為には良い目が出て欲しいという期待感が伴うので非常にわくわくしますしね。
ただし、ゲームがゲームとして成立するためには、そこにプレイヤーの選択行動が必要になります。サイコロを振って大きい目を出した方が勝ちというのでは、選択の余地なく、運のみのゲームとなるため、そこにはゲームとしてのおもしろさはほぼありません。簡単なところで言えば、1本道の双六ではなく、ルートの分岐を設ければ、そこに選択の余地が生まれます。
近年のゲームでは、個人、共有問わず、得られたダイス目に応じてアクションを選択するゲームが多く(ダイスピック、ダイスプレイスメント等)、相応のコストを支払うことによる「振り直し」や「出目の変更」等の仕組みによって、前述の「完全なランダム性」と向き合うおもしろさが演出されていることがあります。
ゲームとしては、ランダム性(運要素)の割合が大きければゲームの経験、スキルが勝ち負けに与える影響は小さくなり、小さな子どもも含め、幅広い層が遊べるものとなります。逆に、ランダム性を有しながらも、それをコントロールする要素を加え、プレイヤーのスキルが介在する割合を増やしていくことで、より思考力が試されるものになります。このランダム性の割合はゲームの特徴的な部分となりますが、ゲームの良し悪しを決めるものではないということには気をつけなければいけません。
3. 究極のダイスゲーム:チンチロについて
昔めちゃくちゃハマっていたダイスゲームに「チンチロ」があります。器の中に3つのサイコロを振り、その出目によって決まる役の強弱で勝敗を競うゲームです。子のプレイヤーはターンのはじめに賭け金を決め、親プレイヤーと勝負します。プレイヤーは場の流れ的なものを読んで賭け金を決め、あとはサイコロを振るだけという非常にシンプルなゲームであり、そこには技術も心理戦もありません。ある意味、純粋な運ゲーと言えるのかもしれません。
ちなみに私は、運というものは個人の性格、主観によるところが大きい(要は思い込みによるところが大きい)と考えており、完全ランダムなゲームにおいて、「流れ」というものが確かに存在するものなのかはよくわかりません(私はバリバリの理系人間であり、凝り固まった思考回路です)。
しかし、この単純なゲームがおもしろかったのです。ドキドキしながらサイコロを振ったり、よくわからない場の流れを読んでガバッと賭けたりというのがめちゃくちゃおもしろかった。この自分ではどうしようもない「運」というものに立ち向かう感じ、これこそが究極のダイスゲームであると今でも思ってます。
4. まとめ:ダイスというコンポーネントの魅力
上述のとおり、ダイスロールゲームの魅力とは、「完全なランダム性」というものに立ち向かう感じと、ダイスを振るという行為の期待感、わくわく感にあると思います。
特に後者の「ダイスを振るという行為の期待感、わくわく感」はダイスというコンポーネントでしか得ることができません。例えば、1〜6までの数字が書かれたカードを用いても、ランダマイザーとしての役割は果たせます。しかし、ダイスの持つ質感、振るという行為、視線の集まり、転がる音まで、すべてがわくわく感を演出してくれます。
以上2点が、ダイスロールゲームの魅力と言えるのではないでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。