ボードゲームの日々

ボードゲームを中心に、いろいろなことを勝手に考えてみる。

【雑記】2人用ボードゲームのおもしろさと罠

どうも、こすとっくです。

今回は、2人用ボードゲームについて、個人的な考えを書いていきたいと思います。

読んでくれた方に少しでも楽しんでもらえれば幸いです。

 

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(お気に入りの2人用ゲームの写真)

 

目次

1. 2人用ボードゲームの特徴

2. マルバツゲームの例(論理的な読み合い)

3. じゃんけんの例(心理的な駆け引き)

4. スピード競争の例(ソロプレイの競争)

5. まとめ:アブストラクトゲームとして

 

1. 2人用ボードゲームの特徴

2人用ゲームの最大の特徴は、対戦相手が1人しかいないということです。当たり前のことのように思われると思いますが、これによってプレイ時の思考は大きく変わります。

多人数でプレイする際、自分の手番までに他プレイヤーの行動によって状況が大きく変わります。すなわち、いくら他者の選択を考慮して先読み、戦略立案をしても、入り込んでくる不確定要素が多く、展開を読み切ることは現実的に不可能です。

しかし、2人用ゲームでは、相手が1人なので相手の行動を考慮したプレイングがしやすく、また、それを誘導するようデザインされたゲームが多いです。

この「読み合い」の部分こそが2人用ボードゲームの最大のおもしろさと言えます。

 

2. マルバツゲームの例(論理的な読み合い)

読み合いの例として、マルバツゲームを見てみたいと思います。

2人のプレイヤーがそれぞれ「○」「×」のいずれかを受け持って3×3のマス目の中に交互に描いていき、タテヨコナナメのいずれか1列に揃えた方が勝ちというゲームで、子どものころやったことがある人も多いのではないでしょうか。

このゲームに運要素はなく、自分の手に対して相手が次にどうくるか、あらゆるパターンを樹形図状に検討、対策していくことが可能です。

しかし、例えば3人目の「△」を描くプレイヤーがいたらどうでしょうか(マス目は広げる必要があるでしょう)。とたんに自分の出番までの変動が多く、読み切ることは難しくなります。2人で遊ぶゲームだからこそ、読み合いが可能になり、おもしろさが生まれるのです。

 

3. じゃんけんの例(心理的な駆け引き)

続いて、2人でのじゃんけんを見てみましょう。じゃんけんというゲームは完全ランダムに出す手を決定する場合、勝敗は運で決まります。

しかし、適当な条件を加えることで心理戦が始まります。例えば、グーで勝てば1点、チョキなら2点、パーなら3点が入るゲームを10戦繰り返す場合はいかがでしょうか。出す手の価値が微妙に変わることで、心理的な駆け引きが発生します。

また、グーで勝てばりんご、チョキならみかん、パーならメロンが食べられるゲームならどうでしょうか。この場合、各果物の価値が人によって異なるため、また違った心理的な駆け引きが生じるでしょう。

これらの例においても人数が増えるほど乱数が大きくなることが想像できます。

 

4. スピード競争の例(ソロプレイの競争)

駆け引きのない例としては、積み木をある高さまで積み上げるスピードを競うゲームを考えてみます。自分の積み木に他者が触れることはないものとすると、各々が1人ゲームをしている状況と変わらず、純粋に個人のスキルによる勝負になります。

この手のゲームは2人用ゲームとしてデザインされることはあまりないと思います。2人しかいないのなら、相手のことを強く意識して遊びたいですよね。

例えば、積む前に相手の積み木をドラフトによって決定するなど別のメカニクスの組み合わせでインタラクションをつくると2人で遊ぶおもしろさが増すかもしれません。

 

5. まとめ:アブストラクトゲームとして

2人用ボードゲームにはアブストラクトゲームが多くあります。アブストラクラクトゲームとは、BGGを参照すると概ね以下の通りです。

・運要素を最小化した戦略的ゲーム

・テーマ性がない(薄い)

・秘匿情報、不確定要素がない

・一般に2人のプレイヤーが交互に手番を行う

(参考:https://boardgamegeek.com/boardgamesubdomain/4666/abstract-games

 

これまで見てきたように、2人でゲームをプレイすることで、不確定な情報量が少なくなり、対戦相手との深い読み合いや駆け引きを楽しむことができます。これはまさにアブストラクラクトゲームの特徴、おもしろさと同じです。

また、2人用ゲームに限らず、多人数用ゲームを2人で遊ぶ際にも、アブストラクト性が増すと言えるでしょう。

(運要素のない、または少ないゲームをアブストラクトゲームと呼ぶことが多いですが、「abstract=抽象的な」という意味からも、テーマ性が薄いという要素も重要であり、以上2点を併せ持つゲームをアブストラクトゲームと呼ぶべきと私は考えます。)

繰り返しになりますが、2人用ゲームのおもしろさは対戦相手との深い読み合いや駆け引きにあると思います。反面、相手のやりたいことをやらせないプレイングが大切であり、自分のやりたいことがやりきれないジレンマや思考量の多さによるしんどさがあります。また、プレイヤーの思考キャパシティの違いから、一方のプレイングが他方にとっては雑なプレイングに映ることがあり、どちらも楽しめなくなることが起こりえます。

アブストラクトな2人用ゲームを遊ぶ際には、このあたりにも注意して、十分楽しめる相手と遊ぶことを推奨します。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。